内視鏡 / 内視鏡外科手術

概要

内視鏡とは、胃・腸・食道・膀胱・尿道・子宮・腎臓・肺など、体の内部を直接観察するための医療機器です。先端にレンズがついた細い管を体の中に入れて、体の内側の様子をモニターに映し出します。
内視鏡手術は、体に3~15㎜の穴を数ヵ所開けて内視鏡と手術器具を挿入して行います。モニターに映し出される体の中の様子を見ながら、遠隔操作によって手術します。

特徴

開腹手術と違ってお腹を切り開かないため、体への負担が小さく、回復も早いというメリットがあります。がんに対しては主に早期がんが対象となります。

内視鏡には光ファイバーなどの柔軟な素材を使用したものや、カメラと光源を内蔵した小型カプセル型(カプセル内視鏡)のものがあります。

【主な内視鏡手術・治療法】
腹腔鏡手術 お腹に小さな穴を数ヵ所開けて、腹腔鏡や手術器具を挿入し、モニターで病巣を観察しながら行います。
胸腔鏡手術 カメラ(胸腔鏡)を肋骨と肋骨の間から挿入して、モニターを見ながら行います。
関節鏡手術 関節の周辺に小さな穴を数ヵ所開けて、内視鏡を入れて行います。
脊椎内視鏡手術 腰椎の辺りに細い管を挿入して行います。
ポリペクトミー 胃・大腸・食道などにあるポリープの茎の部分に、内視鏡の先端についている通電ワイヤを引っ掛けて、高周波電流を流して焼き切る手法です。
内視鏡的粘膜切除術(EMR) 消化管の腫瘍でひらべったい部分やへこんでいる部分について、生理食塩液などの液体を粘膜の下層に注入し、ポリープ状にします。そして、内視鏡の先端のワイヤを引っ掛けて、高周波電流を流して焼き切ります。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 病変部の周囲に薬液を注入して、病変部をまとめて切除します。病変部を広めにひと塊として切除するため、確実に取り除くことができます。

対象疾患

腹腔鏡手術 胃がん、大腸がん、腸閉塞の癒着剥離、小腸切除、結腸良性腫瘍、結腸がん、子宮内膜症、卵巣嚢腫、子宮筋腫、子宮外妊娠、不妊症、子宮がん、腎臓・腎尿路の切除、鼠径部ヘルニア、食道ヘルニア、胆嚢胆石症など。
胸腔鏡手術 原発性肺がん、転移性肺がん、良性肺腫瘍、良性の縦隔腫瘍など。
関節鏡手術 膝関節・足関節・肩関節・肘関節の手術。靭帯再建、半月板切除、半月板縫合、滑膜切除、自家骨軟骨移植、骨穿孔、反復性肩関節脱臼、腱板損傷、肩関節周囲炎、靭帯損傷、変形性膝関節症など。
脊椎内視鏡手術 腰椎椎間板ヘルニア、腰部椎間板症、腰椎脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、腰椎変性側弯症、腰椎分離症・分離すべり症など。
ポリペクトミー 胃・大腸・食道のポリープなど。
内視鏡的粘膜切除術(EMR) 食道・胃・大腸などの良性腫瘍、早期の食道がん・胃がん・大腸がんなど。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 早期の食道がん・胃がん・大腸がんなど。