不妊治療

概要

妊娠を希望している夫婦が通常の性生活を送りながらも、2年以上たっても妊娠しない場合を不妊症と呼びます。
状況・症状に合わせてさまざまな治療方法があります。主にタイミング療法、人工授精、体外受精、顕微鏡受精、排卵誘発剤などです。

特徴

タイミング療法 排卵のタイミングを見計らって性行為を行う方法です。月経後に卵胞の大きさ・厚みを観察して排卵日を予測し、自然妊娠の確立を高めます。
人工授精 精子を採取し、人工的に子宮内に入れる方法です。通常の性行為よりも妊娠の確立が高いと言われています。治療の際に苦痛を伴わず、排卵誘発剤を使用しなければ卵子・卵巣に負担がかからないため、繰り返して実施できます。
体外受精 採取した精子と採取した卵子を培養液で受精させます。受精卵が8分割になるまで培養した後、受精卵を子宮内に戻します。
顕微鏡受精 体外受精と同じように、採取した精子と卵子を体外で受精させますが、受精は医療器具を使って人工的に行います。
排卵誘発剤 卵巣から排卵を促す作用がある薬剤を投与します。症状や原因によって、使用する薬剤が異なります。

対象疾患

タイミング療法 不妊検査で異常が見つからず、不妊治療を開始して間もない場合など。
人工授精 精液量・精子数の不足、精子の運動量の不足、タイミング療法でうまく行かない場合、性行為ができない場合など。
体外受精 卵管性不妊症、乏精子症、免疫性不妊症など。
顕微鏡受精 無精子症で睾丸内に精子がある場合、卵細胞膜通関障害、勃起不全、体外受精でうまく行かない場合など。
排卵誘発剤 黄体機能不全などによって排卵が困難な場合。人工授精を成功させるためや、体外受精に用いる卵子を得るために投与することもあります。