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第7回 童総合医療社団法人 童総合病院2013.03.01

童総合医療社団法人 童総合病院
所在地 435台中市梧栖区台湾大道八段699号(梧栖院区)
433台中市沙鹿区成功西街8号(沙鹿院区)
電話 886-4-26581919
886-4-26626161
HP http://www.sltung.com.tw/
概要 童総合病院は40年前に創立され、当初の30床余から現在1200床の大規模病院まで発展しました。交通便利な台湾中部に位置し、2008年にJCI認証取得、2012 年に再認定。私達はすべての人が平等にケアを受ける権利があることを信じ、患者の年齢、性別また国籍に関わらず、専門チームで最良の医療サービスを提供しています。
sltung03.jpg1. はじめに:
 童総合病院は1972年に創立され、40数年間で、病床数は当初の30床余から現在では1千2百床まで拡大しました。フィジカルヘルスとメンタルヘルスの両面から、全部で37の診療科は患者に最も完全なケアを提供しています。私達はすべての人が平等にケアを受ける権利があることを信じ、患者の年齢、性別また国籍に関わらず、専門チームでカスタマイズした医療サービスを提供しています。

2. 特徴、地域における当院の位置づけ:
 童総合病院は交通便利な台湾中部に位置し、国際空港の台中ターミナルまでの所要時間は車で6分です。童総合病院は2008年にJCIによって認定され、2012 年に再認定、国際化医療センターの設立に踏み出すための足掛りとしました。
●強みのある診療科は救急救命、整形外科、心臓血管外科、脳神経外科、美容整形外科と腎臓疾患です。
●特徴のあるサービスは、国際医療移送、高級健康診断、ブレストセンター、高度画像診断センターと美容センターです。

3. 医師、看護師、薬剤師の数:
 童総合病院には228名の医師、1036名の看護職員および53名の薬剤師が在籍しています。

4. 貴院が得意とする領域(科目)、治療方法など:
4.1救急救命治療:
 童総合病院は救急救命に対応できる専門チームを設立し、より迅速で全面的な診療を提供しています。チーム内では一般外科、神経外科、心臓外科、泌尿器外科、整形外科、大腸科、小児外科の医師が在籍し、必要に応じて美容整形外科、口腔外科、耳鼻科などの医師と連携し、医療サービスを24時間提供しています。患者が救急外来に到着と同時に外科チームが統合的な治療計画を作成し、治療に介入しています。主治医が患者の救急救命から関与することで、その後の治療計画の作成や、日常治療に参加するまで治療の一貫性を保つ事が実現します。

4.2脳卒中センター:
 脳卒中センターは脳神経内科の主任医師楊自強先生の指導で、患者さんに最速の急性期治療を提供し、発作後3時間以内で、患者の命を救う事に全力を尽くします。
脳卒中センターには内科、造影医学科、神経放射線科、急性期主任医師、神経内科、神経外科、リハビリテーション科、栄養士、ソーシャルワーカー室、コミュニティ看護等医療スタッフを含め、各専門チームの特徴にあわせ、脳卒中センターは現在1500名以上の患者を治療してきました。
当院は365日24時間無休体制の脳卒中急性期治療サービスを提供しています。特に発症後3時間以内に到着される患者に対しては、救急治療チームのインフォメーションシステムを利用し、神経内科医師は必ず救命する事を目標としています。診断されてから10分以内に現場に到着し、治療開始までの時間を最短にします。そしてセンターには脳卒中急性期専用病床を設置し、術後の治療、看護サービスも提供しています。

sltung02.jpg4.3 ハイリスク妊娠とネオネイタルケアセンター:
 産婦人科チームには主治医師は8名在籍し、産婦人科主任医師汪文生医師と婦人ガン科主任医師劉錦成医師の指導で、産婦と新生児に最良の医療サービスを提供しています。
新生児治療・ハイリスク妊娠センターにとってはハイリスク妊婦・ハイリスク胎児の状況は最も危険で難しい症例で、各診療科の提携によるチーム診療が必要不可欠となります。
当院の新生児治療センターチームには小児外科、小児心臓外科、一般内科、一般外科、麻酔科、神経医学科、ソーシャルワーカー、栄養士及び12名のハイリスク妊婦指定訓練を合格した看護師が在籍しています。
産科では婦人科、産科、不妊(生殖内分泌科)、婦人ガンの四つの診療科で構成されています。
小児科は小児内科、小児神経科、小児てんかん科、小児アレルギー科、小児感染科、小児心臓外科、新生児科、小児胃腸科、小児外科、小児泌尿器科等の診療科目を設置しています。専門医師による最良な医療サービスを提供しています。

4.4児童発達センター:
 児童発達センターは小児重症医学専門医、副院長遅景上が児童発達外来を計画し、児童発達センターを創設しました。中部では始めての快挙です。センター内の設備は全て児童のニーズに合わせて設計され、発育に遅延が見られる児童に統合性、持続性ある医療サービスを提供しています。当センターは人道的観点からも高い評価を頂いています。

4.5健診センター:
 童総合病院は予防医学の重要性を捉え、健診センターを設立しました。院内各診療科、医療資源を統合して運用し、患者に有効で尚且つ低コストの健診サービス提供しています。
センターは中核となる三つの部分で構成されています。

①高級健診センター:各種ニーズにあわせ、オーダーメイドの健診メニューを作成し、プライバシーの保護や、人間性に満ちた医療サービスを提供し、受診患者の健康状態を全面的に把握しています。
②国際美容医学センター:皮膚専門科、美容整形専門科、レーザー美容専門科、医学美容専門科の四つ領域から美しくなりたい患者に最良のサービスを提供しています。
③造影健診センター:各種疾病の診断補助及び、重症、慢性疾病の治療補助を行っています。

4.6低侵襲治療センター:
 低侵襲センターはー整形外科、神経外科、一般外科を統合し、患者ニーズを中心とした統合型診療科です。患者に高レベルの医療サービスを提供しています。 脊髄低侵襲治療科では、台湾脊髄低侵襲学会設立者徐小克医師が科長を勤めています。ヘルニア、坐骨神経痛、脊髄神経変形等が中心となっています。

「脊髄内視鏡手術」のメリット:
局部麻酔により患者が手術進行中でも医師とコミュニケーションを取る事ができ、医師は患者さんの感覚にあわせ、神経、筋肉、骨組織の損傷を最小限に抑えることが出来ます。高齢者患者は全身麻酔の危険性も避けられます。
腹腔鏡に関しては、最新鋭の内視鏡統合システム及び周辺機器を利用し、肝、胆、腸、胃、鼠径ヘルニア等の内視鏡手術を行う事が可能です。
内視鏡手術のメリット:
出血量が少ない、術後回復が早い、入院日数を短縮し、術後併発症状のリスクが低い、傷口が小さく、痛みが少ないなど、患者の早期回復につなげます。

5. 看板医師のご紹介。
 童総合病院は多くの診療科を結び付けて安全なサービスを提供しています。そのチームの中心メンバーとして一般外科の張子明先生、泌尿科のジョン・殷主任、心臓内科の陳颖从先生、整形外科の徐紹克主任、ENTの蔡青劭主任、急診部の盧立華執行長、神経内科の許弘毅副院長などが挙げられます。

6. 医療機器:
ダ・ヴィンチ外科手術システム:
 童総合病院は世界最先端のダ・ヴィンチ手術システムを導入してがん患者に最優秀の低侵襲手術方法を提供しています。ダ・ヴィンチを通し、腫瘍手術の成功率が大幅に上昇し、出血、痛み、感染の危険性を減らすことができ、傷も小さく、重要な神経や血管を保持することによって、手術後の回復率を向上させることが出来ます。

乳房MRI:
 乳房MRIは女性のために設計されました。女性に最も快適と安全な診察方法と環境を提供します。乳癌は女性の癌の中で罹患率が第1位となり、そのため女性は毎年定期的に乳がん検診を受ける必要があり、自己健康管理意識を高めます。

高速全身用コンピュータ断層撮影装置(ICT):
 従来の一般機械で検査出来ないものを高速、高画質で検査することができました。1回の撮影で複数のデータ(従来CTの16~20倍)が得られ、検査時間は従来のヘリカルCTの6倍の高スピードです。患者様の息止時間を短縮し、被爆も軽減します。3次元表示(3D-CT)も短時間で作成可能です。このCTは患者様の負担を軽減し、高度画像診断センターの高級健康診断の新しい利器になり、自信をもって検査を勧められます。

sltung01.jpg7. 貴院独自のサービスや取り組みについて:
国際医療移送/空中救助
 国際医療移送サービスとは両国間の患者移送サービスです。国際医療移送サービスは医療、介護、薬剤、医用工学、地上移送、空中移送などを含む多領域の特殊なサービスです。
 現在「海外医療移送サービス」を提供しているのは少数の医療機関に限られます。当院は航空業者と連携を取り、患者さんの病状及び患者家族の意思を尊重し、低価格で指定病院へ移送する国際医療移送サービスを提供しています。当院の国際医療移送サービスには海外移送、台湾医師の海外への救急診療及び患者にセカンドオピニオンのお勧め、転院のアドバイス等のサービス内容が含まれています。
 国際医療移送チームは経験豊富な医師6名、看護師4名、専門技師3名とプロジェクトマネジャー1名で構成され、最良な医療サービスを提供しています。
 航空医学に精通し、経験豊富な医師が患者さんの病状を確認の上、医療移送計画を作成し、治療を行います。国際医療移送サービスは従来国際的援助組織が中核を担っており、特別契約を交わした医療従事者を派遣し、医療サービスを提供してきましたが、法律上の適正性には疑問がありました。当院では救急救命の医療従事者が移送業務を担当し、専門性が強く高レベルの医療サービスを提供しています。
 当院は国内外の医療資源を統合し、世界規模の医療移送サービスを提供し、海外からの救急救命医療移送も承っており、医療チャーター便や民間定期便を利用し、航空医療移送サービスを提供しています。
 現在当院の航空医療移送サービスを利用した人数はすでに300名を上回り、豊富な経験を積んできました。その中で人工呼吸器使用患者数がすでに30人を超えました。
 現在、民間定期便のエコノミークラス担架を利用し、人工呼吸器使用患者を長距離移送することが可能な病院は少ないのが実情です。ドイツのVeldmanの報告では人口呼吸器使用患者累計8例を移送しましたが、内一例は移送中に死亡し、死亡率は15%です。当病院の国際医療移送チームでは人工呼吸器使用患者1999年末まで累計9例移送し、移送中の死亡はありませんでした。当院の国際医療移送サービスは2009年に国家より安全及び品質に関する表彰認定を受けました。
 2013年2月中国が天気の悪化及び大雪の中、ある日本人患者さんは脳動脈瘤破裂となり、状況は非常に危険でした。患者さんが家族の元に戻って看護を受けれるようになるため、当院国際医療移送サービスチームは動き出しました。医師、及び看護スタッフが重症看護機器、バイタル測定器を持ち、医療チャーター便を利用し中国本土へ行き、患者さんを中国の北京から日本の東京へ移送し、治療を受けさせました。現在日本と韓国は未だ医療チャーター便サービスを始めていません。よって童総合病院は海外患者の医療移送サービスを多数行ってきました。最良の医療サービスを提供するため、国際医療センター実行センター長本人が救援過程を企画しています。過去、国際医療移送サービスの費用は非常に高かったものの、航空業者の努力、及び効率改善により、移送費用は合理的な範囲内に収まりつつあります。童総合病院は国境なき医療サービスの提供を志にし、全世界に当院の医療サービスを行き届くよう努めます。

8. 日本(国際)の患者に対する医療サービス:
 台湾は世界で最も友好的な国の中の一つで、台湾と日本の民衆は歴史的な原因があって、両国民衆の往来とコミュニケーションは頻繁です。
 本院は台中港に位置して、日本籍と他の国籍の船員の受診指定病院です。病院は台中科技園区に近く、たくさんの台湾へ出張で来られた日本籍の従業員に対し、旅行に来られた日本籍の患者様に対しても良い選択肢になります。既に600名以上の患者様が国際医療移送センターにて移送され、足跡が全世界に至る所に及びます。一方、海外からもサービスを求められています。かつて日本で1名の脳卒中の患ったイスラエル人を移送し、帰国させた事例があります。
 院内で十数種言語の翻訳サービスを提供し、外国籍の患者さまが来院する際に言語上の障害を排除することができ、気楽に効率的に各治療プロセスを完成させます。
 国際旅行と国境なき医療が盛んでいる現代、童総合病院は全方位高品質の医療ケア及び医療移送サービスを患者さんに提供し、全世界民衆の医療の見守る者になりたいです。

外国籍患者受診のプロセス:
■まず国際医療センターの専門家から個別カウンセリング、患者に最も適切なメディカルツーリズム日程を手配します。
■Visa申請の協力、航空便の手配サービス、空港送迎など、その他の医療関連サービス。
■請求書或いは保険のニーズがある場合、専門員からサポートをそれぞれ提供します。

sltung04.jpg9. 今後の展開:
 将来的に、私たちは依然として最高品質の医療を提供し続けます。特に重症治療、予防医学、国際医療転送、また最先進のダ・ヴィンチ手術システムの導入による低侵襲手術への取り組みなどを通じ、国際的なレベルの医療センターになるため努力します。

10. メディカルツーリズムについての展望:
 医療と台湾の観光資源を結合し、地方特徴のあるメディカルツーリズムの発展を強化します。
境内にいる外国籍患者にきめ細やかな温かいサービスを提供している一方、境外での医療サービスに対しては、本センターも積極的に取り込んでいます。例えば海外緊急医療運送、海外の医療サービスの拠点の設立、国際医療教育交流、と国際医療援助など色々な領域に展開して行きます。台湾の特徴を世界にもっと知ってもらえるように、医療交流を通じて国際交流を促進します。


取材協力者:童総合医療社団法人 童総合病院
企画室 Olivia Wang