有識者による医療機関向けコラム 医療機関の国際化

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日本の医療機関のための海外からの外国人患者受け入れポイント vol.32013.01.01

2.受け入れの基本的な流れ
海外から外国人患者を受入れる際の基本的な流れは次のとおりとなります。(図参照)

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(1)問い合わせへの対応
患者やその家族の大部分は、実際に診療の申し込みをする前に、細部について問い合わせをしてきます。この問い合わせの方法としては、①電話、②HPからの問い合わせ、③メール等の方法が考えられますので、貴院ではどのような対応方法を取るのか明確にしておき、その方法をWEBサイトなどできちんと公表しておきましょう。
なお、海外の外国人患者の受入れに積極的な医療機関では、問い合わせがあった際には、例えば必ず24時間以内に返信するなど、迅速な対応を謳っているところが数多くあります。

(2)事前コンサルテーション
海外から外国人患者の受入れを行う際に最も大切になってくるのが「事前コンサルテーション」です。「事前コンサルテーション」とは、海外の、海外の外国人患者やその代理人から治療や手術に関する問い合わせや受診依頼があった場合に、事前に、問診票や各種検査データ等を収集して患者の要望や症状、身体状況を把握し、受入れの可否や治療方針、入院期間、費用等を患者に伝えることを言います。この事前コンサルテーションの流れを図式化すると以下の図のようになります。

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岡村 世里奈
国際医療福祉大大学院 医療経営管理分野 准教授。上智大法学部卒業。上智大大学院法律学研究科博士課程前期修了後、国際医療福祉大医療経営管理学科助手、The Beazley Institute forHealth Law and Policy, School of Law, Loyola University ofChicagoの客員研究員等を経て現職。数年前から国内外の国際医療交流事業研究に携わる。関連著作物としては、「平成21年度財団生産性本部 サービスイノベーションを通じた生産性向上に関する支援事業・サービス(医療)ツーリズム等医療の国際化に向けた利用の品質確保に必要なケーススタディ報告書」(2010年3月)、「平成22年度厚生労働科学研究費補助金(厚生労働科学特別研究事業)国際医療交流(外国人患者の受入れ)への対応に関する研究報告書」(11年3月)、「平成23年度厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)医療の国際化に関する国内医療機関の課題の明確化と国際情勢の把握研究報告書」(12年3月)等がある。